「湯沸し器に恋をする」
LYRICS
湯沸し器の前で 息を止めた
青い火だけが 先に目を開けた
誰にも言えない 名前をつけて
私は蛇口の影を 見ていた
台所の隅に 立っている君は
呼ばれた時だけ 声を返す
私は夜更けに コップを置いて
返事のようなお湯を 待っていた
恋ではないと 言い聞かせても
配管の奥で 音がした
触れない距離が 正しく見えて
近づくほどに 指が冷えた
湯沸し器に 恋をした
それはたぶん 間違いだった
火がつくたびに 胸が沈み
消えるたび また見てしまう
湯沸し器に 恋をした
返事なんて あるはずもなく
ぬるいお湯だけ 手に受けながら
私は今日も 黙っている
朝になれば 君はただの箱
壁に掛かった 白い機械
昨日の私が 置いたカップに
少し遅れて 湯気が立った
誰かに話せば 笑われるから
取扱書を 閉じたまま
型番だけなら 覚えられるのに
肝心なことは 言葉にならない
湯沸し器に 恋をした
壊れているのは 私だった
水の流れに 耳を寄せて
意味のない音を 拾っている
湯沸し器に 恋をした
抱きしめれば 火傷するだけ
安全装置が 働く前に
私は少し 離れてみる
君は誰かを 選ばない
誰のためにも 沸いてしまう
それが優しさに 見えた夜
私は自分を 疑った
湯沸し器に 恋をした
それはたぶん 恋ではなくて
呼べば応える ものが欲しくて
壁の機械を 見つめていた
湯沸し器に 恋をした
笑えないほど 静かなまま
お湯が止まった 台所で
私はやっと 息をした
青い火だけが 消えていった
蛇口の先に 水が残る
恋と呼ぶには 変すぎたけど
確かに少し 救われていた
LINER NOTES
🎵 作曲:うみぱんKaz より
この世界観クセになるてマジでw