「看取り図」
LYRICS
[Intro]
[Verse 1]
六畳一間に貴方は溶けた
連日連夜 暑かったからね
扇風機の首が回る
きっとこんな部屋じゃ
頭は回らなかったね
人間って溶けるんだって
誰にも教わらなかった
壁紙ばかり汗をかいて
午後は静かに自己融解
[Pre-Chorus]
冷蔵庫だけ低く唸る
脱臭剤はもう飽和した
少し甘い匂いがするね
私は窓を閉め直す
[Chorus]
床に染み込んだ貴方を
私は愛していた
浸潤していく黒い影
この染みを愛してみる
指で貴方の境界面をなぞる
私もじきに同じ色
不可逆の火照りだけ
どうしても冷ませないの
[Verse 2]
群がる夜光虫
綺麗だなって眺めてた
青い点だけ瞬くたび
部屋の隅から潮が満ちる
名前を呼ぶと染みが揺れる
左から右へ夏が行く
扇風機だけ首を持って
朝まで何かを否定する
[Pre-Chorus]
リモコンは貴方の肩に沈み
音量だけが育っていく
午前四時の通販が
朝を何度も売り切った
床下へ拡散する声を
貴方の返事だと思ってた
六畳はじきに飽和する
それでも少し寒かった
[Chorus]
床に染み込んだ貴方を
まだ名前で呼んでいた
音もなく広がる黒を
*** と呼んでみる
指で二人の境目をなぞる
私もじきに同じ色
相転移する夜の中
火照りを冷ませないの
[Bridge]
液状化壊死の夏が
貴方の形を選び直す
骨も名前も思い出も
融点の向こうに置いてきた
私も地獄へ溶け込みたい
ここはヌルすぎるから
見取り図に海を足して
空白を二人分にする
[Final Chorus]
床に染み込んだ貴方を
私は愛していた
だからこの染みを
これから愛してみる
もうどこまでが貴方だろう
床板の継ぎ目まで黒い
指先から黒く染まり
六畳すべて同じ色
[Outro]
うなだれたひまわり
悲願花に見えた
脱いだはずの服だけが
まだ私の形をしている
[END]
LINER NOTES
✍️ 作詞:流転 より
「シミを愛してみる」というフレーズを思いついたので作りました。 これ投稿時は9月ですが、まだ暑いので夏の歌です。 皆さんも溶けないように気をつけてください。
🎵 作曲:日向野聡一郎 より
が、がんばりました…