「聞いてる太子」
LYRICS
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十
一斉にどうぞ はい、どうぞ
聞いてる 聞いてる
次、どうぞ
田んぼが干上がる 犬が夜吠える
鐘が割れた 席が狭すぎる
米が足りない 馬が寝不足
十方向から 案件が吹雪く
冠はまっすぐ 眉も動かず
筆だけ走る 白紙の巻物
深いですね 大事ですね
前向きに検討 承知ですね
誰の話でも 同じトーン
どの悩みでも うなずくゾーン
中身は渋滞 顔だけ余裕
国家運営 まずは雰囲気重視
はい 把握
はい 納得
はい 重要
……次、どうぞ
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
十人十色を 受け止めるらしい
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
相づちだけは 最適化済み
なるほど たしかに それは大事
万能ワードで 本日も完治
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
何を聞いたかは 胸の奥に
遣隋使どうする 道がぬかるむ
仏像の顔が 妙にこわばる
法を作ろう 税を下げよう
隣の屋敷の猫が来よう
冠位十二階 十七条
どれもこれもが 飛び交う会場
まとめたようで まとめてない
けれども全員 置いてかない
赤い相談 青い苦情
金色の要望 灰色の事情
耳には入るが 脳には保留
笑顔でくぐる 飛鳥のスルー
はい 共有
はい 至急
はい 結構
……次、どうぞ
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
十人分の案件 一気に処理
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
返事は曖昧 でも妙に頼もしい
なるほど たしかに 前向きに
語尾が丁寧 それだけで勝ち
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
議題だけ先へ スルスル進む
聞こえたのか 聞こえなかったか
その境目さえ 聞かせなかった
答えがズレても 空気は丸い
困った十人 なぜかうなずく
田んぼの話は 寺になり
犬の苦情は 制度になり
全部ずれても 誰も怒らない
自信の音量 歴史級
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
一人も置いてかない 顔だけは
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
十個の困りごと ひとつにしない
なるほど たしかに それは大事
全部言ったあと 静かに開始
聞いてる 聞いてる 聞いてる太子
以上を踏まえ――次、どうぞ
聞いてる
聞いてる
聞いてる……たぶん
LINER NOTES
✍️ 作詞:にゅ〜らるP より
太子が聞いているのか聞いていないのか…