「脳内会議に知らないおじさんが参加する」
LYRICS
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
自己紹介もなく 上座に座った
私の悩みに 付箋を貼って
まずは結論からと 咳払いした
議題は今日の 生き方なのに
おじさんだけが 資料を持参
フォントが古い 人生論を
レーザーポインターで 照らしてくる
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
誰が呼んだか 誰も知らない
でも発言権だけ 異様に強くて
私の本音が 後ろへ下がる
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
多数決なら 負けそうだった
やめたい気持ちも 眠たい理由も
根性不足で 片づけられる
若いうちはなと 言い出したので
心の中で 椅子を引いた
若くないですと 返したかったが
議事進行が 止めてくれない
夢とか向き不向き そういうものは
三十までには 決めなさいとか
勝手に年表 作られていて
私の余白が 赤字になる
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
正論らしき 湯気を出す
湯のみを置いた 音のせいで
小さな希望が 机から落ちた
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
退席願いを 出したいけれど
なぜか昔から いた顔をして
私の不安に 判を押す
その時すみで 黙っていた
小さな私が 手を上げた
この会議室は 私の中です
その人の席は ありません
おじさんは少し 目を丸くして
古い鞄を 抱え直した
それでも最後に 気をつけなさいと
余計な忠告を 置いていった
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
だけど今日は 議長を替える
偉そうな声が 残っていても
採決ボタンは 私が押す
脳内会議に 知らないおじさんが参加する
次に来たなら 受付で止める
心の入口に 札を出した
関係者以外は 立ち入り禁止
会議が終わった 頭の奥で
椅子のきしみが まだ響いてる
議事録だけは 破り捨てずに
反面教師と 名前をつけた