「推しの概念と同棲を始める」
LYRICS
推しの概念と 同棲を始める
段ボールには 実体がない
でも空気だけが 少し眩しく
六畳の部屋が 神棚になる
鍵を渡す手は 宙をすべって
ただの妄想に 落ちていった
それでも玄関 靴をそろえて
二人暮らしの ふりをしている
推しの概念と 同棲を始める
家賃は全部 私が払う
だけど心の 空き部屋だけは
勝手に全部 埋まっていった
推しの概念と 同棲を始める
返事はないが 供給はある
朝の机に アクスタを置けば
パンの耳まで 尊く見えた
洗面台には 歯ブラシひとつ
でも私は 二本分悩む
使われない方を 見つめながら
生活感だけ 捏造していた
冷蔵庫には プリンがふたつ
ひとつは概念用 食べられない
賞味期限が 過ぎていくたび
愛の形が 発酵していく
推しの概念と 同棲を始める
現実よりも 手間がかかる
見えない相手の 機嫌を読んで
勝手に疲れて 勝手に救われる
推しの概念と 同棲を始める
幸せなのか 病気なのか
判断できない 境目あたりで
今日も課金の 通知が光る
友達にはまだ 言えていない
言ったらたぶん 優しく黙る
大丈夫だよと 言われるよりも
異常だねって 笑ってほしい
壁のポスターが 夜に揺れた
気のせいだって わかっている
わかっているのに おかえりなんて
言ってしまって 部屋が静まる
推しの概念と 同棲を始める
触れない距離が ちょうどいい
近づけないから 壊れなくて
壊れないから 終われない
推しの概念と 同棲を始める
愛と呼ぶには 管理が多い
グッズの棚を 拭き終えたあと
私は少し 深呼吸した
いつか飽きると 誰かは言う
いつか醒めると 私も思う
でも今夜だけは この空白に
布団を一枚 敷いておきたい
電気を消して 眠る前に
見えない君へ 水を置いた
推しの概念は 何も飲まずに
私の孤独を 少し減らした
LINER NOTES
🎵 作曲:うみぱんKaz より
推しは推せる時に推せ( ˙꒳˙ )