「透明人間なのに花粉症だけバレる」
LYRICS
透明人間なのに 花粉症だけバレる
誰も見えない はずの私が
春の歩道で くしゃみをしたら
空気の中に 居場所ができた
足音さえも 消していたのに
鼻だけ先に 名前を呼ばれ
誰ですかって 振り向く人へ
涙目だけが 返事をした
透明人間なのに 花粉症だけバレる
存在証明が 鼻に来る
見えないままで いたかったのに
ティッシュの白が 宙に浮いた
透明人間なのに 花粉症だけバレる
隠れた恋も 台無しになる
君の隣を 通り過ぎたら
くしゅんひとつで 全部ばれた
マスクをしても 見えない顔に
意味があるのか わからないけど
ドラッグストアの 棚の前では
薬だけ私を 客として見る
花びらよりも 細かい敵が
透明な胸に 降り積もる
見えないくせに 苦しいなんて
都合が悪くて 笑えてくる
透明人間なのに 花粉症だけバレる
誰も私を 見つけないのに
鼻をすする その音だけが
ここにいますと 旗を振る
透明人間なのに 花粉症だけバレる
恋より先に アレルギー反応
君が心配そうに 差し出した
ポケットティッシュで 世界が戻る
見られたいのか 消えたいのか
自分でもまだ 決めていない
でも君の声が 大丈夫って
私の輪郭を 少しなぞった
透明でいるのは 楽だったんだ
傷つく前に 避けられるから
だけどくしゃみは 正直すぎて
隠した弱さを 外へ出した
透明人間なのに 花粉症だけバレる
情けないほど 生きている
見えない私を 見つけたものが
花粉だなんて ひどすぎるけど
透明人間なのに 花粉症だけバレる
君が笑って ティッシュをくれた
その手の近さに 鼻がつまって
胸のほうまで 少し苦しい
夕方の風が 黄色く光り
歩道の影が 長く伸びる
透明なままの 私の横で
君だけ少し 歩幅を落とす
最後のくしゃみが 遠く響いて
誰かがまた こちらを見た
透明人間は 困った顔で
今日だけ少し 見つかっていた
LINER NOTES
🎵 作曲:南黒山ソイヤ より
透明人間になったら真っ先に銭湯に行きたいと思います。