「祝電はカラスの巣に届いた」
LYRICS
電柱と 結婚式を挙げる
町内放送が 少しざわめく
白いドレスを 歩道で引きずり
信号機だけが 拍手していた
出会いはたぶん 夕方だった
電線越しに 空を見ていた
誰にも触れず 立っている姿が
なぜか私を 黙らせたんだ
電柱と 結婚式を挙げる
指輪の代わりに 結束バンド
誓いの言葉は 風にほどけて
カラスが先に 返事をした
電柱と 結婚式を挙げる
誰も本気に してくれない
でも私だけは 真面目な顔で
影の長さを 愛していた
親戚席には 消火栓がいて
電線の鳩が 司会をする
ブーケトスなら 碍子が飛んで
隣の屋根へ 刺さっていった
神父のかわりに 標識が立って
進入禁止を 祝福にした
健やかなる時も 雨の日も
漏電だけには 気をつけます
電柱と 結婚式を挙げる
動かない人を 選んだのは
どこにも行かない 優しさみたいに
勝手に私が 見えたから
電柱と 結婚式を挙げる
抱きしめれば 腕が余る
愛されてるか わからなくても
倒れないことが 返事だった
友達からは やめときなよと
電気代まで 心配された
でも人間同士の ややこしさより
直立不動が まぶしかった
夕立のあと 濡れたアスファルト
君の根元に 花を置いた
花嫁写真は 全部逆光で
私の笑顔も 線になった
電柱と 結婚式を挙げる
町の端っこで 鐘が鳴らない
それでも電線が 空を分けて
ふたりの上に 線を引いた
電柱と 結婚式を挙げる
幸せですかと 聞かれたら
返事の代わりに 変圧器から
低い唸りが 少し響く
夜になったら 街灯がついて
式場だった 道が光る
私はそっと 隣に立って
同じ方向を 見ているだけ
朝が来たって 君はそこにいる
私だけ少し 年を取っていく
それでも今日も 電柱の影が
私の苗字を 長く伸ばした
LINER NOTES
🎵 作曲:うみぱんKaz より
トヨルックさんの世界観素敵すぎやわ( *´艸`)