
「幽世神楽」
LYRICS
LINER NOTES
✍️ 作詞:南黒山ソイヤ より
山々に囲まれた小さな村では、年に一度、村人たちが歌や舞を披露する祭が開かれていた。 村に住む一人の男は、この古いしきたりを外の世界にも届け、もっと村のことを知ってもらいたいと願っていた。その思いに偽りはなかった。 男は外へ働きかけ、名声と人との繋がりを得ていく。しかし拍手を受け取るたび、「村を知ってほしい」という願いの主語は、本人も気づかぬまま「私を知ってほしい」へとすり替わっていった。 祭の日。男の目には、かつて愛した村の歌や舞が、ひどく狭く、拙いものに映った。 「この村の者たちと私とでは、見えているものも、目指す場所も違う」 男は誰にも告げず、村を去った。 村の因習も、外の世界で自分の名を売ることも、決して悪ではない。 村に残ることも、外へ出ることも、願いが変わることさえ罪ではない。 ただ、その願いはいつ、誰のものへと成り代わったのか。 村を去ったのは彼自身だったのか。 それとも、彼の仮面を被った“理想の彼”だったのか。 本人だけが、それに気づけなかった。
🎵 作曲:Liam|Lunar Resonance Records より
この歌詞を読んだとき、最初に浮かんだのはハードロックとグラムロックでした。 まずはハードロックで音にしてみたものの、どこか違う。 歌詞にあるのは力強さや激しさだけではなく仮面を被り理想の自分を演じるうちに、その虚像に本当の自分が塗り替えられていくような妖しさでした。 そこでグラムロックへ。 華やかさの裏側にある退廃的な空気に、祭囃子や神楽を思わせる音を少しずつ忍び込ませました。 曲が進むほど境界が曖昧になり、いつの間にか音そのものも何かに取り込まれていくように。 「ひ ふ み よ いつ む なな」 その先にいる「八つ目」は誰なのか。 答えを決めず、その不穏な余韻ごと音にしました。